青いそらにかけた虹を渡って〜
魔法バンクが画面左上に映り、下では魔法の光によって闇が一掃されていく校舎、花畑、校舎のベルの向こうに虹
そして時計盤から飛び出してくる星
ここまで、僕のレイアウト一原になります
魔法バンクが写るフレームは、僕が描いたものに数井さんが修正をのせて、イースターの大橋さんにフィニッシュして貰いました
この闇が砕けていく様はパーティクルといって、粒粒を散らしていく効果で、2D上で作業されますが、動きの計算は3Dなのだそうです
つい魔法バンクに目が行きがちですが、下絵のパーティクルで暗闇が一気に砕けていく様は、爽快感があって良い感じになったと思っています
撮影様、お疲れ様でした
カット31
さあ、君の明日をGyu!っとGyu!っと捕まえよう Gyu!
ここの原画担当は、スペシャルゲストで伊藤郁子さんです
原画の出来は、さすが伊藤さん
「うわー伊藤さんだーすげーー」と色んな人達が見に来る程でした(w
レイアウト、原画のポジション、表情、アピール、全体の動き、デティールとその動き、すべてに細かく配慮してあり、少女物を知り尽くした人の熟練の技がそこにありました
まさに文句なし・・という原画の出来と思われました
が・・・・・・
ふたご姫には動きが早すぎでした・・(w
何度も出てきますが、普通のアニメの感覚で原画を描くと、ふたご姫ではNGなんですよね
伊藤さんのせいではなく、これはその時のふたご姫が特殊だったことが原因です
特にINとOUT
OUTする時、残像効果を利用してアクセントをつける・・なんて、普通のアニメでは当たり前のテクニックが、ふたご姫ではNGです
前回のオープニングで、プーモボックスからプーモが出てきて画面外へOUTする・・という後藤圭二さんが担当したカットがありました
あのプーモにNGが出た瞬間に、ふたご姫はこの宿命を背負わされたのでした
また、これを事細かく事前に作画打ち合わせで説明したところで、あまり意味は無いんですよね
色面積の問題なんて、ケースバイケースなんです
人によっては「そんな窮屈な仕事、やってられるか!」と怒る場合もあるわけで
これは演出段階で、その背景の色、そのセルの色、そのスピード・・を総合して判断し、いけるかいけないかを決めるしかありません
また、その演出判断にも慣れが必要で、初めてこの作品を演出担当される方は「うっそ!!そんなとこまでダメになっちゃうの!?」とビックリすると思います(w
僕も前期の第26話の時などは、もう開き直って、特殊処理覚悟で作ったりしたんですが、あとで河本監督にもの凄く怒られました
※ここでいう特殊処理とは、画面に短いオーバーラップをかけたりコマを抜いたりして、色変化を平均化することです
大体ビデオ編集でやります
放送はその形態でいって、DVDでは外される事が多いです
さて、伊藤さんの原画ですが、画面にファインやレインが入ってきたり出て行ったり・・という動きが、非常に早かったんですね
急速に画面の色面積が変わるので、このままでは確実にNGになります
ところが、伊藤さんは伊藤さんなりの計算で音楽に合わせて動きを決め込んできているので、ここをいじると音楽に合わなくなっていきます
音楽合わせを取るか、NGにならない方策を取るか・・・両立出来る方法は無いのか・・で非常に悩みました
結果、音楽に合わなくても、NGにならないシートに書きかえよう・・ということにしたのですが・・・・・・
編集の時、佐藤さんから、「やはりGyu!っとGyu!っとの所だけでも合わせよう」という意見が出ました
さてここからが大手術(w
この伊藤さんのカットの「Gyu!っとGyu!っと」の部分中心に、周りのカットを切っていって調整していく事になりました
視聴者の方々は、出来上がったものしか放送で見ることが出来ないわけですが、本当はこのオープニングは別の形で組み立てられていました
まぁ・・こうやって切って合わせていくのが、本来の意味での編集というものなんですけどね(w
僕が今まで、「カット変わりはここに合わせて、この動きのアタックはここに合わせて・・」とやっていたせいで、とっさに違うタイミングに合わせる事になって、かなり面食らってあたふたしました(w
この件の他にも、撮影さんが何故かシートより長く撮ってきてしまったカットが三つほどあり、それに対処が上手くできませんでした
まずいことに全体ののスポッティングシートは持っていたのですが、油断して各カットごとのシートのコピーを持って行くのを忘れてしまってたんですね
※これが無いと、このカットは何秒何コマで、カット頭から何コマ目にアタックが来て・・ということがとっさにわからないんです
前回同様、「それぞれのカットの頭と尻を12コマずつ切って繋げれば、ほぼドンピシャ。後は微調整のみ」の形にして、編集に臨んだつもりが大誤算(w
トータルのスポッティングシートのコマ数を数える事も出来たんですが、なにしろその後エンディングの編集がつかえていた上、その数時間後にはビデオ編集・・ということで、かなり焦ってしまいました
その狼狽ぶりも、実は画面に反映されてるんですが、これは自分にしかわからない事だと思います
(毎回このオープニングを見るたび、「あちゃー」という恥ずかしい思いが、お腹の隅に沸き上がります(w
というわけで、このオープニングは、前半と中盤、後半で音楽に対する動き合わせの印象が、ちょっと違うんですね(w
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